【コラム】 NGT48 山口真帆襲撃事件問題の構造と本質、ファン目線での落とし所について考える - チカカラ

2019年4月1日 2019年4月1日

2019年、アイドルブームの残り香を完全に消し飛ばしたNGT48 山口真帆襲撃事件

2019年1月8日の夜、NGT48のメンバーの山口真帆さんが、泣きながら不穏な内容を伝えるSHOWROOM配信をし、突如BANになるという出来事が起きました。

【参照記事】
NGT48 山口真帆さん、号泣しながらNGTの裏側を配信で暴露→BANされてしまう「なんでこんな怖い目にあわないといけないの？」「今回私は助かったから良かったけど、○されてたらどうするんだろうって思うし（涙）」

さらにその数時間後の1月9日の午前5時34分。山口さんがTwitterを非公開にし、とんでもない内容の暴露を始めます。

【参照記事】
NGT48 山口真帆、メンバーに部屋の場所をバラされ、男に襲われたと告発支配人はそれをもみ消そうとしたとTwitterでリーク「これは全国ニュースレベルの案件しかもレイプ未遂の事件を今村は隠蔽しようとしていたとか」「NGT終わったｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ」

このリークの開始をたまたまリアルタイムで見ていた自分は、毎分投稿される常識では信じられない中身のツイートに脳がついていけず、動揺して腕が震えながらもどうにか彼女のツイートをスクリーンショットとテキストで記録しました。

NGT48 山口真帆、メンバーに部屋の場所をバラされ、男に襲われたと告発支配人はそれをもみ消そうとしたとTwitterでリーク「これは全国ニュースレベルの案件しかもレイプ未遂の事件を今村は隠蔽しようとしていたとか」「NGT終わったｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ」https://t.co/3Tld436I0N

— チカカラ＆地下アイドルまとめブログ fire (@tikaidolmatome) 2019年1月8日

その後、彼女の告白は日本中を巻き込んだ大混乱を引き起こし、未だその喧騒は収まる様子を見せません。そのあまりにも大きくなりすぎた事態について、一旦争点を整理するとともに、事の発端から見守ってきたアイドルファンとしての立場からコラムを投稿させていただきます。

発端、構造、問題点、謎

過去にネットで「祭り」となったどんな事件よりも大きな規模へと膨れ上がってしまった今回の襲撃事件。今でもネットから数分目を離すと新しい動きが出てきていたりして、もう誰もその全体像を把握できないようになってしまっています。ただ、事の発端とそれを取り巻く構造をちゃんと理解し、そのなかで何が事件の核なのかを推測できれば「どうしてこんな状態になってしまっているのか」という輪郭がぼんやり見えてくるのではないかと思います。

発端

この騒ぎの発端は、2018年12月8日の21時30分に山口真帆さんがマンション内の自室前の廊下でファン2人から顔を手で覆われたことから始まります。これはみなさんもご存知のとおりだと思いますが、正直はっきりと事実だと分かる部分はここだけなんです。

なぜかというと、この後からの証言は当時の警察発表（NHKの独自取材）、NGT48公式サイトでの発表、明らかにNGT48と連携して情報を出した文春からの発表、そして被害者本人である山口真帆さんの証言、これら全てで食い違っているからです。なかでも一番食い違っているのが「襲われるまでの経緯」と「襲われた時の状況」です。これらについては後で言及しますが、この2点についてどうしてこんなに違った証言になってしまうのかを考えれば、今回のこの騒ぎになった問題の核が見えてくるのではないかと思います。（もちろん全くの見当はずれという可能性もあるのですが）

【参照記事】
文春、地に墜ちる犯人グループ扱いされた中井りか彼氏がブチ切れ全否定さらに文春が「太野、西潟はシロ」と発表した直後に太野西潟が「今回の事件に関与していません」とツイート文春、AKBGの御用機関へと成り下がる一方なんの説明もない地元紙新潟日報はブチ切れ

構造

次は、この問題の「構造」について考えます。日を追うごとに事態が大きくなってしまっている今回の事件の原因は、NGT48を取り巻く構造にあるからです。これがもし地下アイドルなら運営がズバッと謝罪をして、スパッとメンバーやヲタクを処分し、警察やマスメディアなどにも忖度を要求せず、関連会社やスポンサー（そもそも地下アイドルにはスポンサーなんて9割方いない）にも気を遣わずに、3日もすればもうとっくに世間からは忘れられてしまっています。ところが、今回のNGT48問題はそうはなりません。どうしてでしょうか？

それは全て、そこに挙げた

■ 運営（この場合は今村支配人）
■ メンバー（被害者、加害者、運営の駒、傍観者、全く無関係のもの、被害が及ぶとマズイもの）
■ ヲタク（SKEなどでの出禁を解除して後ろ暗い密な関係を保持し続けてきた今村支配人の子飼いのすねに傷がありすぎる暴行ヲタク軍団。今回の直接的な加害者）
■ 警察（警察を欺いていたことを後日公式が発表）
■ マスメディア（とにかく情報を遮断。懇意にしてたマスメディアにまで徹底して遮断。文春に関しては、子飼いの情報源に今回の加害者になった暴行ヲタク軍団一味もいる可能性が高く、そこを明らかにされたくない）
■ 関連会社（今回の間接的な加害者候補にNGTのイベントなどを幅広く手がけている会社社長の娘がいるなど）
■ スポンサー

などの多すぎる要因が絡んできていて、事態は延々炎上し続けていっています。この構造の中で、一体どこに焦点を当てて、何について考えればいいのか。それを次で説明します。

問題点

みなさんからの一番多い意見が「被害者の山口真帆さんを守ってあげて欲しい」ということです。山口さんはファンからの襲撃を告白した翌日の公演で、皆に謝罪させられました。その時の客席には、山口さんを襲撃した犯人の仲間の男もいました。運営が守ってあげるべき山口さんが、一番傷ついているはずの山口さんが、更に傷を負わされた。しかも襲撃犯一味の目の前で。

それまではあまりの衝撃的な告白に戸惑って事態を遠くから見守っていた人たちも、ここで事件に対するスタンスが決まります。全力で山口さん擁護です。指原莉乃さんも、山口さん擁護の運営バッシングの立場をこの時に示しました。

【参照記事】
NGT48 暴行軍団一味の目の前で山口真帆が謝罪させられる太野彩香号泣途中退場休止公演も警察「メンバーの関与なし」→公式「関与あった」事務所「防犯ベル配ってた」 MV監督ブチ切れメンバーが西潟への煽りコメにｲｲﾈ! どさくさでチーム8がAKB批判もうめちゃくちゃ

この世論の後押しを受けて、マスメディア（地上波、五大紙等）も全く情報を流してこないNGTに対するバッシングの勢いを強めていきます。ところがNGT、この時点でおそらく全く周りが見えていません。事態を穏便に収めようといつもの調子で画策を始めますが、これが全て裏目に出てしまいます。それが文春を使った世論誘導の失敗、運営管理によるTwitterでの世論誘導の失敗などです。

これまでにNGT（今村支配人）が犯した失敗は、

■ 今村子飼いのヲタク達がたくさんの問題を起こしても出禁にしなかった
■ そのオタク達が、NGTメンバーが寮として使ってるマンションに入り浸っていても処分しなかった
■ それに関して何度もメンバーがクレームを入れているのに対処しなかった
■ 実際に山口が襲われてしまってからも、警察に対して誠意のある対応をしなかった
■ 山口に「必ず対処するから」と苦し紛れの嘘をついた
■ その後、山口を「被害妄想」と決めつけて事件自体をなかったものとしようとした
■ 本来守るべき対象の山口に謝罪をさせた
■ 公式から「メンバーの1名が、男から道で声をかけられ、山口真帆の自宅は知らないものの、推測出来るような帰宅時間を伝えてしまった」という馬鹿でも嘘とわかるような、警察発表とは異なる発表をした
■ 責任者である今村支配人が全く前に出てこず説明責任を果たさない
■ 全ての情報機関をないがしろにしている中、文春を使って世論誘導をしようとした
■ 人気メンバーや渦中のメンバーのTwitterを使って運営が世論誘導をしようとした

パッと思いつくだけでもこれだけあります。バレてないものもあるのでしょうが、成熟しきってしまったTwitter民や5ch民にとって、今回のような焼き付け刃のネット工作はまるで通用せず、余計に事態を災禍たるものに変えてしまっています。

ここから導き出される最も重要な核となる問題は、「今村支配人の保身」。これに尽きると思います。

謎

では、なぜここまで今村支配人は保身に走るのか。それについての謎（これから解き明かされてほしい部分）について考えます。ここまでも想像に過ぎない部分が多かったのですが、ここから先は完全に推測です。ですが、これらについて明かされない限りは膿は出きらないし、永遠に日本国民の心に気持ち悪さが残り続けると思います。

＜ネットで話題になっている争点＞
■ 今村支配人は、なぜ犯罪者軍団を出禁にせず受け入れていたのか
■ 今村支配人が犯罪者軍団に良席チケットを融通し、その転売によるキックバックをもらっていたという噂は本当なのか
■ 今村支配人は、なぜ犯罪者軍団がメンバーの寮に入り浸っていることに対処しなかったのか
■ 今村支配人は、なぜ警察の調査に本当の意味で協力しなかったのか
■ 今村支配人は、なぜ山口に謝罪させたのか
■ 今村支配人は、なぜ公式から「メンバーの1名が、男から道で声をかけられ、山口真帆の自宅は知らないものの、推測出来るような帰宅時間を伝えてしまった」という見え見えの嘘を発表したのか
■ 今村支配人は、犯罪者軍団をけしかけた（犯罪者軍団と懇意にしていた）メンバーをなぜ処分しないのか
■ 犯罪者軍団をけしかけたメンバーの候補に上がっている加藤美南の親族の会社が、NGTのイベント運営会社というのは本当なのか
■ 仮に加藤美南が犯罪者軍団をけしかけたメンバーだった場合、今村支配人がその事実を隠匿するという可能性はあるのか
■ 仮に看板メンバーの荻野由佳が犯罪者軍団をけしかけたメンバーだった場合、今村支配人がその事実を隠匿するという可能性はあるのか
■ 文春を使って世論操作をしようとしたか否か
■ メンバーのTwitterを使って世論操作をしようとしたか否か

結局これらの謎に答えられる人物って今村支配人しかいないんですよね。そして、彼は未だに表に姿を見せていないんですよ。普通の企業だと翌日記者会見が常識ですよ。それが記者会見もしない、責任者も姿を表わさない、警察に嘘をつく、マスメディアに情報を公開しない、ネットを使って拙い世論操作をしようとする……ありえないですよ。そのへんの地下アイドル以下です、NGT48。

皆が求めている結果は「山口真帆さんの保護」。
そのために「今村支配人が記者会見を開く」。
そして「過去の問題点について開示し、今後同じような事件が起こらないように業界全体で対策をシェアしていく」。

これしかないんじゃないかと思います、このNGT48に降り掛かっている災いを乗り越えるには。というかごくごく普通のことですよね、それって。しかし、なんでそれをしないかっていうと「今村支配人の保身」。それしか理由が考えられないですよね。

もはや「落とし所」なんかを探してる段階じゃない

こういう偉い業界人たちの間違ってるところって「落とし所」なんかを探しちゃうところなんですよね。だってその「最終結果」に対しての「絵図を描く」のがこの人達の仕事なので。でもね、もはや落とし所とか言ってる状態じゃないんですよ。山口真帆さんが「ほんともうこれで自分の人生終わってもいい」くらいの決意でツイートをし始めた時に、もうどん底まで落ちてるんですよ。公式発表でしょーもない小細工したり、文春にその公式発表と違うこと言わせたり、そのくせ文春を公式メディアみたいに扱ってメンバーと連携取らせちゃったり。そのうえ自分は前に出てこない。今村支配人の浅はかさ、愚かさが今回の事件の一番の問題であり、彼の誠意ある謝罪と情報の公開、山口真帆さんの保護、犯罪者軍団とそれに関与してたメンバー全員への処罰……この事件を見てる人たちの心の中にある落とし所はすでにそこしかありません。

個人的な感じた事

ここまでも全編個人的な感じた事なのですが、さらに個人的な感じた事というか、最初から事件を追っていて「こうなんじゃないのかな」と感じた推測というかイメージを記します。この「発端」は、暴行軍団が山口さんを待ち伏せて、顔を覆ったことです。ただ、この予兆はずっと前から続いていて、山口さんはずっと「隣の部屋に友達が集まっていてうるさい。支配人にも言ってある」と何度も配信で訴えているんですね。多分ですが、寮の隣の部屋が暴行軍団一味の集会場になっていて（メンバーの部屋か、暴行軍団が借りている部屋かは不明）、山口さんは半年とか1年とかの間ずっと寮の同フロアーにいる暴行軍団のことに怯えていたんじゃないかなと思います。全て想像です。

そうしてノイローゼ気味になっていた時に、寮ではしゃぐことが当たり前となった暴行軍団が調子に乗ってノープランでノリで山口さんに襲いかかったのではないかと思います。日頃からの恐怖を考えると「待ち伏せされて顔を手で覆われる＝暴行」で全くおかしくないのですが、この日のこの瞬間だけの事象を見るとたしかに「オタクが調子に乗ってちょっとはしゃいだだけ」という見方ができないこともないかもしれません。「あいつら（暴行軍団一味）は犯罪しててもおちゃめなんだよ」と言ったとされている今村支配人ならなおさらです。

結局のところ、暴行軍団一味を懇意にして、メンバーに恐怖を与え続けていた今村支配人の責任なんですよね。子供を預かる責任に関しては、まだ酷いとされている地下アイドル運営のほうがマシですよ。彼らはメンバーを犯罪者軍団に売り渡すなんてことしないですからね。逆に犯罪者軍団が金出してアイドルグループを作らせてるところはありますが。

最期に山口真帆さん、もうどうしても駄目だとなったらP.IDLに戻りましょう。きっとそこでは、間違いなく今よりも幸せなアイドル生活があなたを待っているはずです。

願わくば、一刻も早く責任者が情報を公開し、大人の圧力や、不正オタクによる金や暴力や恐喝で不幸になるアイドルが一人でも減りますように。